味覚 vs. 風味
コーヒーでも大切な風味
福袋の売れ行きが予想外に多く、発送にお時間をいただいております。
お待たせして申し訳ございません。
必ずお届けしますので、もう少々お待ちください。
さて、先日カッピングセミナーに参加して興味深い話を聞きました。
人間は物を食べる時味わう時に、風味と味わいどちらを多く感じているのか?
聞く所、味わいの細胞の数より風味を感じる細胞の数が1万倍とか?
人間が食べ物を「味わう」時に、実際には「風味」が大きな役割を果たしています。
味覚 vs. 風味
1.味覚(味わい)
味覚は舌の味蕾で感じる感覚で、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の五基本味に分類されます。
味覚を感じる味蕾の数は成人で約5,000〜10,000程度です。
2.風味
風味は味覚に加えて、嗅覚(鼻で感じる香り)や食感、温度などが複雑に絡み合った感覚です。
特に嗅覚は、鼻腔内の嗅覚受容体で感じ取る分子が多いため、感じられる種類や量が膨大です。
嗅覚受容体の数は約1,000種類あり、それによって感じられる「香り」のバリエーションは数百万とも言われています。
風味が優位な理由
風味を感じる嗅覚細胞が味覚細胞の1万倍多いという話は非常に興味深いですが、科学的にも支持される可能性があります。以下の理由があります:
1.香りの複雑さ
香りは食べ物の特徴を直接反映します。
例えば、コーヒーを飲むとき、味覚だけではなく香りから「この豆はナッツ系だ」「フローラルだ」といった情報を感じます。
2.脳への影響
嗅覚は脳の情動や記憶を司る部分(扁桃体や海馬)と強く結びついており、香りが食体験における感情的な満足感を大きく左右します。
3.味覚は限定的
五基本味は比較的単純な感覚ですが、香りは「複雑な組み合わせ」を感じ取ることができます。
そのため、風味全体の印象を作るうえで、嗅覚の寄与度が大きいのです。
実体験で確認
例えば、鼻をつまんで食べ物を食べると、味覚は感じても風味がほとんど失われることを試した人は多いでしょう。
この実験でも、嗅覚の重要性が実感できるはずです。
結論
風味を感じる細胞が味わいの細胞より圧倒的に多いのは、科学的にも理にかなっています。
人間は「食べる」という行為において、味覚よりも嗅覚を含む風味全体で楽しんでいると言えます。
それが食体験の豊かさを生み出しているのでしょう。
コーヒーも風味があっての味わいだと思います。
今日は意識して香りと風味を感じながら味わってみてください。
良い1日をお過ごしください。
ヴォアラ珈琲 霧島国分本店
〒899-4332 鹿児島県霧島市国分中央5-3-17
焙煎人 井ノ上 達也